利用する女。使い捨てられる男。
アリマキという小さな虫を知っていますか?
アリマキは基本的にはメスしかいないそうです。メスのアリマキは誰の助けも借りずに子供を産むことができます。子供は全てメスであり、そのメスもまたメスの子供を産みます。
ちなみに、その子供は卵としてではなく、ほ乳類と同じように母の胎内で【子ども】のかたちになって産まれる。まさにマトリョーシカ。メスの無限連鎖です。
さて、そんなアリマキですが、基本仕様のメスをカスタマイズして、オスをつくることがあります。それは、寒い冬が来る前。
アリマキには【夜の長さを計り】【気温の変化を感じる】能力が備わっており、冬の到来を感じる秋頃に、メスのアリマキの身体の中で特殊なホルモンのバランスが変化し、オスをつくることになります。しかし、このオス、
“メスをカスタマイズしてつくるため、(タンパク質の質量、遺伝子の作用量は半減した)出来損ないのメスとしてうまれてくる”
そして、アリマキのオスは、メスにくらべて華奢で小さい。
“彼らオスの仕事はただ一つ。が終わるまでに、出来るだけ多くのメスと交尾をすること。”
彼らは一瞬の休みなくメスの間を渡り歩いて、命が尽きるまでにその勤めを果たさなくてはならないそうです。
そして、題名の「使い捨てられるオス」の核心はここから、
“交尾して産まれてくるのは、全てメスである。そして、それは「子ども」では無く「寒い冬を越せる卵」として。”
まとめると、
- 冬が近づくとアリマキたちは、初めてオスをつくる。
- オスはメスを探して交尾し、メスの卵ができる。
- メスは、その卵をどこか安全な場所に産む。
- 卵の固い殻に守られたメスは、寒い冬を耐え、温かい春に孵化する。
- 産まれてきたメスはまたメスだけで命を紡いでいく。
「オスは、メスの都合の良い様に、カスタマイズされてつくられ、 メスの思い通りに動く様にプログラミングされている」
さんざん踊らされた男性諸君、まだ続きがありますのでご安心を。。
しかし、男もバカでは死ねない。女たちを喜ばせるものが余分にとれたときは、隠しておけば良い事を知りました。余剰です。
余剰はどんどんと蓄積され、男たちの間で交換されはじめました。そして、貸し借りがされるようになり、それらを記録する方法(貨幣)が編み出されました。
時に余剰は略奪(強盗)され、蓄積を巡って闘争(戦争)がおきました。秩序を守る為に、取り決め(法律)がなされ、それが破られた時の罰則が定められる様になりました。
そして、余剰を支配する物が世界を支配するように。男たちが世界を支配している様にみえる今の世界です。
とまあ、話しの出口を見失ってしまったのですが、これらの生物学的な話しは、できそこないの男たち (光文社新書)という本に書いてあります。
こういう生物学的な背景が分かれば、男女の付き合いも円滑に。。ならないから面白いんでしょうかねー。